エンジニアのためのクレジットカードの基本知識
注意
この資料は参考資料を基に作成しています。 古かったり、間違っている点もありえるので、業務で利用する際は実際のサービスに関わる方々に確認を取りつつ、利用して下さい。
TL;DR
- エンジニアのためのクレカ決済の基礎の基礎をまとめたもの
- 情報が古い可能性在り
クレジットカードの主要業務(興味があるところだけ)
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入会審査
イシュアー側の仕事なのでパス
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会員情報管理
イシュアー側の仕事なのでパス
- 加盟店
- 加盟店業務
- 加盟店獲得
- 営業さんのお仕事なのでパス
- 新規加盟店審査
- 店舗の実在性
- 加盟店の業種、および取扱商品・サービスの適法性の確認
- 経営者の事故歴確認
そのため、店舗の所在地の現地確認や電話番号のチェック、加盟店情報交換制度や信用情報センターの紹介などを利用して審査を行なうことが求められる。
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加盟店登録
加盟店審査をクリアすると、業種毎の定められた手数料体系に従って、料率と振り込みサイクルが決定され、加盟店マスターに登録される。
そして加盟店に必要なアクセプタンスステッカー(PayPayが使えるお店でPayPayステッカーが貼ってあるアレ)や伝票などの用品、取扱マニュアルなど共に加盟店に告知される。
加盟後の加盟店管理は、加盟店フロア業務を行なうことになる。
- 加盟店獲得
- 加盟店管理(メンテナンス)
- カード会社は頑張っているそうです。パス。
- 加盟店業務
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オーソリゼーション(オーソリ)
クレジットカード加盟店の店頭で行なわれる、カード決済時のカード会社への紹介業務(カード利用の可否とカード回収などの指示)がオーソリである。
24時間365日、地球上のどこからでも原則10秒以内(国際標準ルール)似利用の可否の決定を行ない、クレジットに関わる犯罪に対しては、警察対応を含め的確な判断が求められる業務。
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売上処理・精算
カードショッピングの売り上げには業界・業態によって多くのパターンが存在する。加盟店契約によっても精算のサイクルやタイミングだけで無く、売り上げの種類毎の加盟店手数料の計算方法に違いがある。
カード会社が、加盟店に縦回・支払いを補償する金額全てに対して、加盟店手数料を課す「グロス方式」が国際的にも認められ、特殊な場合を除いて一本化されるようになった。
- カード会社における売上処理
CATやPOSシステムの普及拡大に伴い、自動読み取りされたカードデータおよび日付・金額などの売上データもCDSセンターに伝送されている。
CDSセンターとは、クレジットデータの伝送を専門に行なうセンターとして1991年にNTTデータが設立したもの。
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売上データの蓄積
入力された売上データは会員・加盟店に分けて集計される。
会員には会員利用明細、加盟店には加盟店売り上げ明細として毎日蓄積され、それぞれの締めに合わせて処理される。
- 加盟店精算
- 締め及び振り込みは、月2回、1日と末日に行なわれるのが一般的
- 15日締め:約2営業日の17日から20日頃、加盟店ごとの蓄積された売上日が15日以前の売上データについて、15日締めとして処理を行なう。
- 末日締め:16日から末日までの売上を、2営業日後の翌月2日から4日頃、同様の処理を行なう。
- その他:即日入金として毎日締め・振り込みデイリー決済、5日ごとの締め、・振り込みの5日決済や10語との締め・振り込みなどもある。なお振込手数料をイシュアーが負担する場合がほとんどなので、結構な頻度での振り込みは会社としての負担が大きい。また振り込みが1日遅れても立ち行かない加盟店も存在するため、締め・振り込みはシビアになりがち
- 締め処理としては、支払い方法ごとの件数・金額が計算され、それぞれの手数料立により、加盟店手数料が計算される。
- 取り消し・返品などのマイナス売上が集計され、同様に加盟店手数料の払い戻しを計算する。最終的に確定した売上からマイナス売上・加盟店手数料を差し引いた実際の加盟店振込額が決定される。
- 加盟店精算サイクルによる振込期日に間に合わせて、指定された銀行・金融機関ごとに加盟店振り込み一覧明細を作成し持ち込みを行なう。
- 同時に、振込日に合わせて加盟店宛に振込の案内と加盟店売り上げ明細を送付する。
- 締め及び振り込みは、月2回、1日と末日に行なわれるのが一般的
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国債管理用・精算の統一ルール
VISA/MasterCardなどの国際ブランドは、国際的流通性確保のため、クレジットカード会社間で手数料配分などのルールを設けている。
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IRF手数料配分(各国間の国際ルール)
国際ブランドカードは、世界各国の加盟店で試用でき、加盟店手数料も加盟店契約会社と会員契約会社と二配分される。
それがIRF(interchange reimbursement fee)と呼ばれる、加盟店手数料の配分ルールです。国際ブランドが0.1%処理手数料として徴収、次にイシュアーとアクワイアラに振り分けられる。
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IRFの考え方
国際間の手数料の配分方式は、クレジットカード事業の一番の基本である適正なリスクを前提に決定されている。
会員の支払いリスクを抱えるイシュアの業務に必要な手数料取り分が優先され、アクワイアラが加盟店と契約した手数料立に関わりなく、固定となっている。
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途上与信管理(中間管理)
イシュアー側の仕事なのでパス
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会員請求
イシュアー側の仕事なのでパス
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債権管理と回収
イシュアー側の仕事なのでパス
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資格処理と償却
イシュアー側の仕事なのでパス
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システムと情報管理
クレジットカード事業はシステム産業と言われるほど大量処理業務が多く、システムの力を借りなければ成立しない事業である。
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クレジットカード業務のシステム化
初期のクレカ業務は全て文書と手作業で行なわれていた。クラか事業の拡大と共にて作業の処理が増減したため、システム化が必要となった。更に高度・専門化する審査など各種判断業務や、事業発展に伴って大量化する情報の蓄積のためにも、システム化が不可欠
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情報管理とコンプライアンス
クレジットカード事業は、特定の個人信用情報という非常にセンシティブなデータを駆使して業務を実行しする必要があるため、事業のコンプライアンスに十分に配慮した業務運営が求められる。
プライバシーマークやISO 14001、ISO 9001などの認定を得る必要や、PCI DSSなど国際標準規格を満たすことが求められる。
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総合サービスと販促
企画・営業側の話なのでパス
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付帯サービス(リボ・分割、キャッシング・ローン、会員セグメント・ポイント)
パス
オーソリゼーションと信用照会端末
- オーソリゼーション(authorization):カードの持ち主の信用などをカード会社に尋ね、客との取引に応じて良いか事前に尋ねる仕組み。
- カード会社から加盟店への返信は4つらしい
- ok: 問題なし
- no: 取引不可
- call me: 至急電話する必要あり
- pick up: 問題あり、カードを取り上げて下さい
- カード会社から加盟店への返信は4つらしい
- CAT/CAFIS
- CATはクレカ支払いで用いられる信用照会端末(店頭に置いてあるアレ)、CAFISはクレカ支払いで用いられる特殊な回線
- 1980年代初期に登場、それ以前は電話でオーソリゼーションの照会を行ない、客から売上伝票にサインを貰い、毎日カード会社に送って締めていたらしい。
- CAT/CAFISが登場して作業が楽になったが、様々な問題が発生したため、以下の工夫が行なわれている。
- floor limit:カード会社と加盟店の間であらかじめ言って器楽を約束しておき、取引金額が一定額に納まる場合は信用照会を行なわなくても良いと約束する。この金額はカード会社が決める。floor limitが0の場合は「全件オーソリ」、一定金額以上の取引だけにオーソリを求めるのを「部分オーソリ」と呼ぶ。
- issuer limit one:回線トラブル発生時に備え、カード発行会社(イシュア)が加盟店の相手をするカード会社(アクワイアラ)に対しあらかじめ許可を与え、一定の枠内でOK回答を許可する制度
- stand-in parameter:オーソリ照会への回答が遅れた場合(タイムアウト)に備え、イシュアが回線内に仕込んでおく一定の指図書
- 信用照会に対し、OKを出した場合の法的な効果
- カード発行会社はその取引に何らかのトラブルが発生した場合、全責任を負う
- 加盟店とアクワイアラは、その取引に関連してチャージバック(不正使用などで引き落としされた際に、カードの持ち主に全額返金を行なう業務)されたときは、全責任を負う
- CAFIS回線について(2018年ごろ)
- 国際回線:
- VISANET BASE I(オーソリゼーション業務専用回線)と BASE II(決済業務に関する処理専用回線)
- BANKNET(MasterCard が構築・運用するオーソリゼーションおよび決済業務を処理する国際的なオンラインネットワークシステム)がある。
- 国内回線:
- CAFIS:1983年、旧電電公社(現 NTT データ)が運営する回線。
- CARDNET:JCBが中心となって設立した日本カードネットワークが運営する回線。
- 国際回線:
金利
- 金利を直接取り締まる法律は1954年に施行された「利息制限法」「出資法」が金利の上限を定めている。
- 利息制限法
- 10万未満 年利20%
- 10万以上100万未満 年利18%
- 100万以上 年利15%
- 出資法
- 施行当時 年利109.5%
- 現在 年利20%
- 利息制限法
- 1日借金の場合、民法140条より当日の借金残高が0円であれば金利は掛からない。
カード決済
- クレカ決済は以下四つの方法がある。
- 翌月一括払い
- 分割払い
- ボーナス払い
- リボルビング払い
- 割賦販売法2条3項2号に規定。米国ではこの方法が通常の決済方法らしい。日本では1992年に導入され、カード会員が選択する仕組みになっている。
チャージバック制度
- チャージバック
- カード会員が不正取引などを理由にカード利用代金の支払いに同意しない場合、イシュアーが加盟店のカード取引を処理するアクワイアラに対し支払いを拒絶する行為
- イシュアーがアクワイアラに対し、一定のルールに従い、カード売上代金の請求を取り消すように求める行為
- チャージバックは国際的なルールと日本独自の国内ルールがある。
- 国際ルール
- VISAやMaster Cardなどの国際ブランドカード会社が定めているルールでは、4原則
- 当事者平等並びにその権利義務尊重の原則
- 手続き重視の原則 紛争処理においては、定められた手続きに従うこと
- 処理期間厳守の原則 紛争処理は定められた期間内に行なうこと
- 発生件数抑制の原則 あまり軽々しくチャージバックに頼らないこと
- VISAやMaster Cardなどの国際ブランドカード会社が定めているルールでは、4原則
- 国内ルール
- 国内ルールは次の3つの柱を重視している
- イシュア責任を重視 アクワイア等の立場が重視されている
- ネゴベースによる解決を奨励
- 紛争当事者における責任分担を奨励
- 国内ルールは次の3つの柱を重視している
- 国際ルールと国内ルールの違い
- 交渉形式 国際ルールでは手続き万能主義、国内ルールでは「なあなあ」ベース
- 紛争の種類 国際ルールでは固定化され、国内ルールでは「何でもござれ」
- 加盟店倒産 国際ルールではチャージバック可能だが、国内ルールでは出来ない
- 通販 国際ルールは国内ルールより手厚く規定している
- チャージバックを行なう人
- イシュアーが独占的にチャージバックを行なう権利を持っている。
- カード会員が出来るのは苦情の申し立て
- 加盟店とチャージバックとの関係
- カード会社と加盟店との間で締結された契約は「加盟店規約」と呼ばれている。この規約の中にチャージバックに関連した取り決めがある。
- 加盟店はチャージバックを受けたときは、取引の調査について全面的に協力しなければならない。チャージバックルールでは原則として120日間以内での解決が望ましいとされている
- 加盟店は、カード取引の総額の5~10%を供託金として銀行に積み立てなければならない(デポジットと呼ばれる)。チャージバック紛争の解決次第ではこのデポジットは没収されることもある。
- 加盟店は、チャージバックが発生した場合あるいは発生の可能性が高いと判断された場合、当該取引金額をカード会社に返還しなければならない
- カード業界には、「不良加盟店」あるいは「8% Merchant Watching System」と称される国際ブランドカード会社が定めたシステムがある。いずれも加盟店側における不正行為を監視し、その事実があればその旨をメンバーであるカード会社に警告するシステム。この警告に一度でもリストアップされた加盟店は、自店で行なわれたカード取引についてチャージバックが発生すると、絶対的に不利な立場に追い込まれる。
- チャージバック・リーズン カード取引において発生する苦情や事案ケースを類別し一定のグループにまとめたもの。ただし理由は対外秘扱いのため、詳細は分からない
- アービトレーション
- チャージバックで紛争が解決されない場合、紛争当事者はこの事案をVISAやMasterCardの委員会に持ち込み、その裁定を仰ぐ。この決定が紛争の最終解決となる。
- カード会社と加盟店との間で締結された契約は「加盟店規約」と呼ばれている。この規約の中にチャージバックに関連した取り決めがある。
クレジットカードを規制する法律
- 割賦販売法 決済について
- 出資法 金利に関して
- 貸金業法 貸出しに関して
- その他関連法は民法、商法、刑法、刑事訴訟法、利息制限法、特定商取引法、銀行法、個人情報保護法、犯罪収益移転防止法、偽造カード防止法、関税法、消費者契約法、弁護士法、サービサー法、破産法、民事再生法、不正競争防止法、景品表示法など
- 細かい法律が必要になることはエンジニア目線だとそんなにないので、ここでは詳細は省く。
PCI-DSS
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